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INOKI GENOME 〜Super Stars Festival 2011〜両国国技館
 
8.27イノキゲノム両国 「27日にプロレス行こう」。
今週になってからプロレス者のKさんから突然のお誘いがあった。
もちろん、往年のプロレス者としてはスケジュールが空いていれば断る理由などないのだが、問題はこの日、日本武道館で新日本、ノア、全日本のメジャー3団体合同主催のオールスター戦が開催され、一方でIGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)が両国国技館で興行を打つこと。どちらも東日本大震災の復興支援興行になるという。
国技館と武道館の同日興行は今までもなかったわけではないが、一番有名なのはG馬場が武道館で「力道山十三回忌追悼興行」を主催した時、A猪木は蔵前国技館でビル・ロビンソン戦をぶち上げた。所謂「隅田川決戦」といわれるプロレス史に残る興行合戦。
あの時、私はまだ中学生で、翌日の東京スポーツの一面は見事に猪木が奪取したことを記憶しているが、あれから35年、猪木がまた仕掛けたわけだ。
国技館と武道館。当初、Kさんはどちらに誘ったのかメールでは明らかにしていなかったものの、ここは阿吽の呼吸という奴だったか。プロレス者のS氏ともうひとりプラスαも誘い、このメンバーではおそらく十年ぶりくらいとなるプロレス観戦と相成った。

 正直申し上げてプロレス興行として純粋性や祭典としての一体感、現在進行形のプロレスを求めるならば武道館の方に行くべきだったのかもしれない。
国技館はバックボーンもよく知らないファイターたちと、K−1からのトウの経った大物たちによる取ってつけたような怪しげなカードが並ぶ。
しかし私も今更プロレスらしいプロレス興行よりも、怪しさ満点でもゴツゴツとしたハプニングの匂いが漂う方を選びたい。もっといえばよりスキャンダラスな方向に引きつけられてしまう。これはもう長年の猪木信者の性としかいいようがない。
結局まともにプロレスを観なくなって十年近くなってしまうと、プロレスの「現在」を知ってどうするのだという思いも強かった。

 以下、2011年8月27日両国国技館の全カードと試合結果をざっと書き残す。

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■第1試合 シングルマッチ
定アキラ[時間切れ引き分け]松井大二郎
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■第2試合 IGFキックボクシングルール
○木村秀和[3R判定]●MASASHI
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■第3試合 柔術vsキックボクシング
○タカ・クノウ[腕十字固め]●バル・ハーン
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■第4試合 シングルマッチ
○ケンドー・カシン[雪崩式跳びつき十字]●ブラックタイガー
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■第5試合 シングルマッチ
○ボビー・ラシュリー[両者リングアウト]●エリック・ハマー
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■第6試合 レジェンドスーパースターズマッチ
藤波辰爾[時間切れ引き分け]ミル・マスカラス
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■第7試合 シングルマッチ
○蝶野正洋[STF]●長島☆自演乙☆雄一郎
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■第8試合 シングルマッチ
○小川直也[レフェリーストップ]●澤田敦士
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■第9試合 シングルマッチ
○レイ・セフォー[反則]●モンターニャ・シウバ
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■第10試合 シングルマッチ
○鈴木秀樹[体固め]●ハリー・スミス
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■第11試合 シングルマッチ
○ピーター・アーツ[TKO]●鈴川真一
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■第12試合 IGFチャンピオンシップ
○[王者]ジェロム・レ・バンナ[KO]●[挑戦者]藤田和之
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 ミル・マスカラスはもうじき70歳になる。
それでも昭和のプロレスファンは暗転した会場に「スカイ・ハイ」が流れた途端にグッと身を乗り出してしまう。
もちろん“仮面貴族”のマスク越しから覗く顔は明らかに年寄りだし、当然のことながら上腕から肩にかけての肉は削げ落ちている。それでも、きちんと上半身を脱いでリングに上がったのは立派。プライドの高そうな佇まいは健在で、誰がどう見てもマスカラスであり、それ以外の何者でもないところが嬉しかった。
対する藤波辰爾とて58歳。こちらも十年前の藤波との差異はあまり感じられなかった。もちろん70歳の相手との比較で若く見えたことは否めなかったのかもしれないが、藤波もついに猪木の引退時の年齢を超えてしまったのかと思うと、それも感慨深い。

 フライング・クロスチョップ、フライング・ボディアタックと、確かにマスカラスは跳んだ。
もともとマスカラスは全盛期から、決まった技を繰り出せば完結出来るレスラーなので、飛行高度さえ問わなければマスカラスの試合として十分に成立していた。
場外に逃れた藤波にブランチャを試みようとした場面で、もちろん飛ばないことは多くの観客が分かっているし、藤波がマスカラスをフルネルソンでとった場面も、ここからドラゴンスープレックスで投げることなどありえないことも知っている。
しかしマスカラスも藤波も一旦腰を落として観客をどよめかせた。
いや観客がどよめいて見せたというべきか。
幻のままで終わらせたブランチャと飛龍原爆固め。
つくづくプロレスはレスラーと観客との共犯関係で成り立っているのだと思う。

 さて20分のインターミッションのあとに白装束姿のアントニオ猪木が登場。
ここに書くほどでもない衝撃的な猪木の小芝居が終わった後(悪)、
「サーベルタイガー」が場内に流れ、ケロちゃんの「お気を付けください!」の絶叫とともに椅子を投げ飛ばし、観客を蹴散らしながらタイガー・ジェット・シン入場。
どうだこのハイテンション。場内のボルテージが一気に上がる。
ピンクフロイド「吹けよ風、呼べよ嵐」のテーマが鳴ってアブドーラ・ザ・ブッチャーの入場を待つ間、リングの四方で狂虎は大暴れだ。
もう武道館には申し訳ないが、シンの入場が見られただけで国技館を選んで良かった。
思えばシンと猪木の抗争こそが金曜夜8時の象徴だった。
中学生から大学生にかけてシンは新日本の会場の憎悪を一身に受け続けてきたわけだが、今まさに客席で暴れているシンに昭和の日々が蘇る。
ケロちゃんのコールをぶった切るようにリングから蹴落とすタイミングも上手い。
もう70を越えて杖をつきながら、すっかりプロレスラーの気配を消してエプロンに現れたブッチャーと比べても、シンのプロフェッショナルぶりは際立っていた。

  もちろん、マスカラスの試合もシンとブッチャーの登場も興行の添え物であり、後者など試合ですらないのだが、申し訳ないが、その他の試合のことなどはあと一か月もすれば忘却の彼方に忘れ去ってしまうだろう。

 松井大二郎がこんなところでまだ第一試合に出ていたのかと苦笑してしまったこと。
ケンドー・カシンの雪崩式の飛びつき逆十字のキレは健在だったこと。
蝶野正洋が随分と大人の試合で自演乙を仕留めたこと。
小川直也が相変わらずだったこと。
ピーター・アーツがまだまだ元気だったこと。
急遽試合を組まれた藤田和之はやる気まんまんのバンナ相手に気の毒だったこと。

 しかし体を張って懸命に闘っていたアスリートたちには誠に失礼だったと思うのだが、
この8.27両国国技館で一番プロレスをやっていたのは間違いなくシンと猪木だった。



2011.8.27 両国国技館


author:ZAto, category:プロレス・格闘技, 20:03
comments(4), trackbacks(0), pookmark
Comment
ZAtoさん、こんばんは

昔住んでいた家が、当時阿倍野にあった府立体育館まで徒歩圏内でしたので、プロレスは何度か観戦しました。リングの猪木はケンカ(駆け引きといったほうが良いのかな)が上手い人・・・そんな印象があります。間違ってたらごめんなさい

ミル・マスカラスはもう70歳ですか〜〜年齢なんて考えたこともありませんでした。弟さんとよくタッグ組んでましたよね。そうですか、お元気ですか、嬉しいなぁ〜!「スカイ・ハイ」はミル・マスカラスのもんだと思っていましたので、甲子園で流れた時、きっと八木さんもファンなんだと決め付けておりました(笑)。<s>二岡には「真似するなよー!」と毒づいておりました(呆)</s>

ブッチャーがマスカラスのマスクを破いたことがありましたよね。あの時はテレビの前で「あかーんてば!ヤメテー!」ぎゃあぎゃあ騒いで、本気でブッチャーが憎たらしくてたまりませんでした(汗)。マスカラスの後頭部のダークブラウンの(我が家のテレビではそんな色に見えました)意外と豊かな髪の毛が、なんだかやけに記憶に残ってます

話題と関係ありませんが、何年か前に松屋町(まっちゃまち)の人形問屋へ仕事で行ったとき、そこはわりとメジャーな人形屋さんなんですが、社長が上田馬之助に瓜二つで、商談中可笑しくて堪りませんでした。人の顔を憶えるのが苦手な私でも一発で憶えました(爆)

それにしても私がテレビでプロレスを見ていたのは30〜40年前。何十年単位の年月の流れは凄いものがありますね。歳とるわけですな凹。今、プロレス界の現役でどんな人が頑張っているのかサッパリ分かりませんが、伝説になりそうな人、出るでしょうかね?

菊, 2011/09/02 3:23 AM
ザトさん、こんにちわ。

今日は台風の影響で雨やし・・・何をしてる?
甲子園は午前中に中止が決定したが、マツダスタジアムはやる気マンマンらしい。
JRも動いてないのに中止決定はまだしてない。

プロレス・・・最後に観たのは多分ビューティーペアだったと思う。
あとビューティペアといえば全女ですよね。
そういえば、月1万の会場使用料を滞納したこともあったねぇ。(懐かしいなぁ)

今はもう生でプロレスを観ることがなくなりました。
と、いうよりタイミングが合わないが正解かも・・・これって言い訳かぁ。(^^;。

ビル・ロビンソンって東京に住んでるよねぇ。
なんかの番組で見た記憶があるだが・・・。
ミル・マスカラスもビル・ロビンソンも大して変わらない年じゃない?

A猪木を小学生の頃に生で観て通路を歩いてたので身体を叩いたら硬かったのは今でも覚えてる。
ニヤッと笑った顔も覚えてる。
数十年前の出来事・・・どこでもドアがほしくなった。
しんじろう, 2011/09/03 1:34 PM
菊さん今晩は〜。
返事が遅くなって申し訳ございませんでした。
上田馬之助にそっくりの大阪の社長さんですか?
想像しただけで押し出しが強そう(笑)。

前回行ったとき、阿倍野は駅前の再開発の途中でしたが、昔の街並みも変わっているんでしょうね。
両国国技館でプロレスを観たのは11年ぶりのことでした。
すぐ横に流れる隅田川から東京スカイツリーがそびえ立っていて、
国技館から望む風景も随分と変わってきました。
今日もお相撲さんが何人か会場で観戦していましたが、鬢つけ油の甘い匂いがどこからともなく漂ってくる両国の風情に、何とも言えない懐かしさがありました。
そんな具合に変わるものと変わらないものが凝縮されたような一日でしたね。

東京ドームで二岡の打席で「スカイハイ」が流れて、阪神ファンから「八木さんの真似してんじゃねぇよ」と野次が飛んだ時、「いやいや、ちょっと」と苦笑したのを憶えています。
マスカラスは決め技を必ず見せて、華麗に勝つことで成り立っていたレスラーでした。
正直言うと、ああいう予定調和のプロレスは好みではなかったのですが、そのマスカラスに予定調和をさせなかったのがブッチャーでしたね。
ブッチャーはグッズコーナーでニコニコとサイン会をやっていて、もう杖をつかなければ歩けないようで、顔もひと回り痩せておりました。
額のギザギザだけはそのままでしたが(笑)。

> 今、プロレス界の現役でどんな人が頑張っているのかサッパリ分かりませんが、伝説になりそうな人、出るでしょうかね?

自分もさっぱりわからなくなりましたが、伝説のレスラーってもう出てこない気がします。
情報がこれだけ過多になってしまうと、伝説が伝説として君臨するのが難しい時代です。でもそういったレスラーが出てこない限り、おそらくプロレスが全盛期の輝きを取り戻すのは不可能であるとも思います。
zato, 2011/09/03 10:57 PM
しん兄ィこんばんは。

マツダスタジアムは試合をやりましたね。
カープがまだあの位置にいるのはタイガースのおかげと違いますか。
そのカープと今月はマツダで4連戦がありますね。
精一杯の気合いの応援よろしくお願いしますよ。
来週末は金土で神宮に行く予定だったのに、金曜日に緊急会議だと。

広島には県立体育館、今はグリーンアリーナですか、一度だけ行きました。
あの頃、プロレスは色んな所に連れて行ってくれました(笑)。
ビル・ロビンソンは「蛇の穴」という道場を吉祥寺に開いていましたが、
今はどうなんでしょうねぇ。
ロビンソンの入場テーマは、この日の国技館でどこかのレスラーが使用していて懐かしかったです。

zato, 2011/09/03 11:10 PM









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