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2009.06.01 Monday
月が変わったのを機会に、先月5月のことを書いておきたい。
2009年5月は列島が新型インフルエンザで振り回されて終った感がある。
最初に「豚インフルエンザ」として耳に飛びこんできたのが4月の終りくらい。
ニュースが出た直後から神奈川県某市では所員が駅前でビラを配るなどして対応。
何せ私の住む地域には高座豚というブランドがある。
まず、ブタとインフルエンザを早々に切り離し、風評被害を食い止めたのは成功だった。
WHOが警戒レベルをフェーズ4から5に引き上げると、しばらくは海外感染者のニュースが報じられ、厚労省が空港、港などで水際作戦を敢行し、舛添要一がテレビに映らない日はなく、その間、海外渡航者の検疫で陽性反応が出たの、出ないの、新型か否かみたいな状態が約一週間。
ここまでの対応策はそこそこ機能していたように思う。いや思っていた。
おかしくなってきたのが、国内に保菌者が現れ、情報が加速度的にひとり歩きし始めたあたりからというのが私の認識としてある。
「横浜市内の高校生が国内初の新型インフルエンザ感染疑い」。
5月1日のことである。
以下は神奈川新聞「 “社会の暗部”が噴出」という記事からの抜粋。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「横浜市内の高校生が国内初の新型インフルエンザ感染疑い」。今月一日未明、厚生労働省が緊急会見で明らかにした。「疑い」が晴れたのは、十六時間後。その間、学校は「パニック」に見舞われた。あれから一カ月。生徒を思い、安堵(あんど)の涙を流した校長の胸にはしかし、言い得ぬ恐れが深く沈んだままだ。
あの日、目の当たりにしたのは、すぐそこに潜む社会の暗部-。
■犯人捜し
校長は、いまも不思議に思っていることがある。
「厚労省の発表は校名を伏せていた。それがなぜ広まったのか」
舛添要一厚労相が会見場に姿を見せたのは午前1時35分。その20分前、インターネットの匿名掲示板では、すでに”犯人捜し”が始まっていた。
“ 「横浜の私立高校」「4月10日から25日にカナダへ修学旅行」 ”
テレビの速報の断片的な情報を基に、書き込みが重ねられた。「日程で特定できそうだな」。そして225件目。「この時期カナダは○○○○(学校名)だろ」。会見が始まる5分前のことだった。
「その10分後です。報道機関から(校長の)自宅に電話がかかってきた。それからほぼ10分おきに3、4件。私の電話番号まで、どこで調べたのでしょうか」
■パニック
校長がタクシーを飛ばして学校に駆け付けると、そこにはすでに報道陣約40人が詰め掛けていた。アンテナを立てた中継車、上空にはヘリコプター。駆け付ける教員を、待ち構えたカメラが追った。
「まさにパニックだった」
明けて朝。学校周辺の薬局からマスクが消えた。「生徒がどの交通機関を使っていたか教えろ。うつされていたらどうするんだ」。電話口で声を荒らげる、近隣に住むという匿名の男性。
「業者が調べたところ、学校のホームページに一時間で1030万件のアクセスが殺到し、パンクしていた。200万人がつながらない状態だったそうです」
模擬試験に申し込んだ生徒について、受験業者から「外出自粛なら受けに来ませんよね。代金は返しますから」と、念押しするような連絡が入った。
■抗議
「教員によると、他校の部活動の顧問から『大会でおたくと対戦することになったら、うちは棄権する』と言われたそうです」
暗に学校を非難する圧力が、教育関係者からもかけられた。
生徒の「疑い」は晴れたが、同様に北米研修に参加した残りの553人の健康に不安があるとして、休校が決まった。問題は部活動だった。大会に出られない3年生は、「最後の試合」を迎えることなく引退することになる。
「一部の生徒は泣きながら校長室に直談判にやってきた。保護者もです。つらかったが、周囲の状況を考えても(出場という)選択の余地はなかった」
12日、校長はホームページにメッセージを載せた。「声を大きくして訴えたい。すべての生徒、ご家族、先生方、学校そのものが被害者だったことを」
疑いの段階で詳細を公表した厚労省と横浜市、過熱した報道、ネットを介してパニックを増幅させた社会への、ささやかな抗議だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
風評被害は当事者にしか実感できないのは当たり前のことなのだが、
たかが16時間で解決した案件にして、風評が一気に雪崩れ込む様は本当に怖い。
日々、ネットに書き込まれる膨大な匿名情報があり、それが検索されて連鎖していく。
上記の案件で、ネットに学校名が出てから10分後に校長の自宅の電話が鳴り、学校までタクシーを飛ばしたら既にマスコミがごった返し、上空にはヘリコプター。
たまたまこの中継をテレビで見ていた人は、この現場が風評などとは考えないだろう。
もちろん恐るべきことは「情報が無い」という状態なのだろうが、無ければ無いで作られていくのがネット社会というものか。
そもそもマスコミと近所のおっさんに情報のタイムラグがほとんど無いというのが凄い。
もうO157のカイワレ大根や所沢のダイオキシン騒動とは時代が違っているということか。
マスコミの報道がネットの後追いになってしまうと、我々に情報の取捨選択は不可能だ。
気持ち悪いのは、真贋はともかく情報媒体として周回遅れにならざる得ないマスコミの質が落ちてきたことと思われること。
ニュースやワイドショーで散々と不安を煽りながら、最後にコメンテーターが「過剰にならないことが大切ですね」と結ぶ。アホ丸出しではなかろうか。
現代は「情報は連鎖的に暴走するもの」という前提があるのだから、マスコミはそれを引き受けて、正確なものを抽出して我々に提示する責務がある。
厚労省や自治体の対応の不備はマスコミが指摘する。しかしそのマスコミがセンセーショナリズムに傾いていては誰が後を引き受けるというのか。
私は「パンデミック」という言葉をこのたびの新型インフルエンザ騒動で初めて知った。
さらに段階があって、エンデミック→エピデミック→パンデミックと進むということ。
【エンデミック】(地域流行)
地域的に狭い範囲に限定され、患者数も比較的少なく、拡大のスピードも比較的遅い状態。この段 階ではまだ、いわゆる「流行」とは見なされないこともあり、風土病もエンデミックの一種に当たる。
【エピデミック】(流行)
感染範囲や患者数の規模が拡大(アウトブレイク)したもの。比較的広い(国内〜数カ国を含む)一定の範囲で、多くの患者が発生する。
【パンデミック】(汎発流行)
さらに流行の規模が大きくなり、複数の国や地域に亘って(=世界的、汎発的に)、さらに多くの患者が発生するもの。 (Wikipedia)
…この「患者」の部分を「風評」と書き換えてもよいのではないか。
- 結論は 「わかりません!」
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2009.02.16 Monday
なんだか「百年に一度の世界恐慌」という言葉が免罪符に聞こえている。
数年前までの平成不況が日本だけの一国不況だったことに対して、
今回は被害者意識があるのか、メディアが伝える様々な言動の所々に空虚さが滲み出す。
さて、我が身を振り返ると去年の今頃までは何をやっていたのかというと、
もう崖っ淵の中にあっても、押し寄せる業務上あまたの〆切りの前に右往左往していた。
〆切りが押し寄せてくるといっても、それが金になる保障は何ひとつなく、
時間外労働などという概念すらすっ飛ばしながら、今にして思えば崩壊へのカウントダウンに向って邁進する毎日だった。
その精神的ひっ迫感から逃れるために野球場にもよく足を運んだものだが、
ナイター観戦の後に会社に戻って徹夜仕事などという出鱈目も随分とやった。
(思えばそんなことを20年近くも繰り返している)
それは「家庭を守る」という基本的社会生活を放棄したために可能になっただけの話で、
治験と称する新薬の人体実験台などにも手を出しつつ、その頃世間で喧伝されていた「勝ち組・負け組」やら「年収格差」などという言葉に耳を塞ぎながら、すっかり浮世を斜めから見ていたように思う。
その私ですら、大企業の派遣切りのニュースが出て以来、
「もしかしたら俺、まだ恵まれている方なのではないか?」と思えるようになったのだから、この半年でいかに世の中がひっくり返ってしまったのかということだろう。
何しろ、ほんのついこの間まで大企業が軒並み「創立以来の好決算」「経常利益が史上最高」などと発表をし、それとセットで「深刻な人手不足」「過重労働」などという懸念が指摘されていたのだ。
そもそも昨夏前までは原油高騰に端を発して物価が上昇し、インフレが懸念されていたはずだった。それが今では一気にデフレ基調だという。
小林多喜二の『蟹工船』が50万部売ったのは、非正規社員たちの低賃金長時間労働の蔓延という社会背景のなかで再評価されたということなのだが、今や長時間労働どころか労働そのものが一気になくなってしまった。
その間、僅か数ヶ月も要していなかったのだから異常事態である。
さて、私はこのあまりの景気の変貌振りに対し、被害(!)の当事者になる難を逃れることが出来た。
リーマンショック直前に投資信託を解約し、新しい職場に転がり込むことにも成功した。
それがあと一ヶ月遅れていたとしたら、今頃は失業保険も食いつぶして途方に暮れていたことだろう。はっきりいってミラクル・ラッキーだった。
傍観者という言葉は申し訳ない気もするが、私は昨年末から正月休みにかけてテレビに映される派遣村の映像を間違いなく傍観していた。
越冬の炊き出しなど、まるで昭和の頃の山谷か横浜・寿町の風景を思い出してしまったのだが、傍観者であっても義憤にかられる思いはある。
何が酷いかといえば、暮れの折に役所も企業も不動産屋も仕事納めをしようかという切羽詰った時期に、人の生活権をあっさりと奪うことの非情さだった。
このニュース映像を見て以来、私の正月休みは討論番組を片っ端から視聴し、新聞の社説に目を通すことに費やされることになる。
以下は経済音痴の戯言と思って読んでいただきたい。
なにせ、この時点でこの記事がどういう展開になるのか、どんなタイトルをつけるのかすらも決めていないのだ。私の文にはすべてに「〜そうらしい」という文末が見え隠れしている。とにかくアホなのでわからないことが多すぎる。
まず大企業による派遣切りの現状と、非正規雇用の実際の詳細がわかってくる。
3人に1人が正規雇用者ではないという日本の労働事情は想像を越えるものだったが、年収100万以下の労働人口の多さにも驚かされた。
さらに派遣先と派遣元の契約があり、労働が人件費として計上されていないことも知ったし、派遣切りを行った企業は好景気を背景に、株主配当や役員報酬を上げながら労働者に還元することなく巨額の内部留保を溜め込んでいる実体も明らかになった。
日本共産党などは大企業の内部留保のうち、僅か3.5%を吐き出せば非正規雇用者すべてを正規社員として雇用することが可能であると主張する。
私は個人的に共産党の主張など、まともに聞いたことのない人間ではあるのだが、この内部留保の問題だけは納得してもいいような気になっていた。
次に、何故こういうことが起こってしまったのかという原因が議論されることなる。
早い話が犯人探しということで、槍玉にされるのが小泉・竹中の構造改革路線だった。
もちろん犯人を名指ししてしまえばリーマンであり、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、シティグループを筆頭とする金融資本主義の暴走ということになる。
かつての日本企業は「お客様が一番、そして従業員は家族である」という経営だった。
終身雇用の功罪はあるとしても、人件費の切り詰めはいよいよ最後の手段であり、少なくとも株主への配当などは二の次だったはずだ。
私は極端な反米論者ではないが、あそこはとことん建前の国であると思っている。
「日本人は働きすぎ」などと揶揄しておきながら、様々な圧力で規制を撤廃させ、日本的経営の美徳を散々と蹂躙してしまった。
つまりはそういう金融資本主義が暴れる土壌を築いたのが小泉、竹中だということになっている以上は、彼らが槍玉にされるのは当然といえば当然だろう。
以上、ここまでが昨年末から正月にかけてメディアで問題提起された事柄である。
さて、派遣切りのニュースから2ヶ月ほどが経過し、不景気風は一段と強まっている。
今回のことが政治に責任があるのか、企業に責任があるのかといわれれば、両方に責任があるのだといわざる得ない。
3月の決算に向けて企業の生産縮小の波は留まることを知らず、ついには人材削減が正社員にまで及ぶとの話が現実化し、経団連会長のキヤノンは偽装請負の事実が表面化。
麻生内閣はますます迷走ぶりが極端となり、もはや笑い話では済まされなくなってきた。
さて、ここまで書いて来て、私はこの記事のタイトルを決めた。
“ 結論は 「わかりません!」 ”とする。
実際に何が正しくて何が間違っているのかさっぱりわからないのだ。
まず内部留保の実情がわからなくなってきた。
どうやら共産党が主張するほど、ことは単純でもないらしい。
例えばトヨタは13兆円の内部留保があるとされるが、内部留保はすべて設備投資などに回しているため、手元に現金があるわけではなく、そこから無理に雇用などの人件費にあてようとすれば財源を捻出する無理が生じ、さらに雇用不安を促進させるというのだ。
そもそもこのあたりのことは貸借対照表を見れば一目瞭然なはずなので、その説明を省略して表層の数字だけを並べた共産党は、結局はいつもの反資本主義の宣伝をしただけではないかと思っている。
しかし、それでもその内部留保の還元先が株主であり、投資の基準が「内部留保の額面」にあるとされる現状を放置してよいわけはない。
そもそも株主制度とは長く企業の将来を支えるための機能であり、瞬時に株を売り買いする投機と混同されるものではない。グローバル化の時代に綺麗ごとは罷り通らないのかも知れないが、投機に逐一反応せざるをえない企業というのがいかに脆弱な存在であるのかを考えるべきなのではないか。
次に当初、私を驚かせた3人に1人が正規雇用者ではなく、年収100万以下の労働人口が異常に多いという件。
考えてみればスーパーで品出ししているパートさんやアルバイトたちは全員、非正規雇用者だ。自分もショップをやっていて何人ものパートさんを使わせてもらったが、年末調整の時期になると「これ以上働くと年収が100万を越えて、控除から外されるので休ませてください」と何度頼まれたことか。
まったく、報道番組などで出されるフリップの数字をどこまで鵜呑みにしてよいのかは悩むところではある。棒グラフや折れ線グラフなど左縦の数値(目盛り)が大雑把であればあるほど劇的に変化するというのは、かつて営業会議などで自分も使った手ではないか。
次に小泉・竹中の構造改革路線がすべての悪であるという論調について。
CS朝日ニュースターのディベート番組などでは、未だにこの前提から一歩も進まず、毎週のように小泉バッシングを繰り返しているものもあり、「小泉純一郎がやったことなど郵政を民営化しただけではないか」というのが定番だったのだが、今では、とうとう現状の不況はあれもこれも全部が小泉の敷いた路線の責任だと言い出している。
そこで新聞社のアンケートなどで「次期総理に相応しい人物」に小泉が上位にランクされると「だから国民なんてもんは馬鹿なんだよ」と愚民論を展開する始末。
まあこの番組は極端な例なのだが、同様の論調は根深く、おそらく自民党内の反小泉側の議員にも燻っているものだと思われる。
しかし、小泉純一郎が首相だった当初、株価がどん底にあり、膨大な不良債権を抱え、中小企業の倒産件数が膨らむだけ膨らんでいた。先進国の中で日本経済だけがどん底を喘いでいたわけで、失業率が5%を越えるという現状の中で「雇用の創出」という命題を突きつけられていたことを無視してよいものかどうか。
さらに当時は「産業の空洞化」という深刻な問題もあり、安価な人件費を求めたことによる中国への技術の流失が懸念されていたことを忘れてはいけないだろう。
竹中平蔵が討論番組で何度か繰り返す弁を要約すると、
「構造改革による規制緩和は雇用を促進し、流失した技術を呼び戻すことで日本製品のブランドを維持することが出来た。さらに海外からの投資を受け入れることで潤沢な資金を不良債権の処理にも回せた。そもそも皆さんが愛用している携帯電話なども規制緩和の象徴である。格差社会の元凶であるといわれているが、その原因は現政権が構造改革を放棄したことが大きい」という論旨となる。
昨年末、さる若手議員のパーティに参加する機会を得たとき、挨拶に立った伊吹文明が「竹中原理主義者」と称して竹中平蔵をこき下ろしていたのを直に聞いたことがある。
記憶では伊吹は亀井静香と対立して郵政民営化に賛成していたような気がするのだが、所詮、政治家の立ち位置などこんなものだろう。
その伊吹文明が幹事長、財務大臣を歴任したのだから構造改革路線の頓挫などは押して知るべしだったと思う。
小泉・竹中路線を全面的に擁護する気はない。しかし「絶対悪」だとも思っていない。
当時の経済状況、政治状況を踏まえれば選択のひとつを辿ったのだと見るべきだ。
むしろ構造改革路線を絶対悪として、そこで硬直させてしまうことに問題を感じている。
さて、派遣法をフル活用して生産性を上げ、規制を緩和して平均株価を回復させた。
確かに小泉・竹中は劇薬を投じたために、大きな課題も残した。
それを「負の遺産」と呼ぶのであれば、それはそれでいいと思っているのだが、
では小泉以降の政権が何をやらなければならなかったのかというと、それはセーフティネットの充実だったはずである。
ところが次の政権、いや政治そのものが何をやってきたのかというと誠に情けない限り。
総理大臣が三人も交代した自民党もさることながら、民主党以下の野党がセーフティネットについて十分に意識していたのかというと首を傾げざるをえない。
衆参ねじれの中で、インド洋給油問題、ガソリン税、日銀の総裁人事などの時限装置を狙い撃ちにした政局論争が、どのくらいの時間を浪費したことか。
そして派遣切りが表面化し、派遣村が年を越えた時、誰しも年明け国会の開始から雇用問題が最重要課題になるものだと思っていたが、驚いたことに相変わらず給付金問題と消費税発言の是非が政局の的となり、総理大臣に漢字テストをやるというお粗末になった。
この文は経済音痴がアホを隠さすに投げ出したものだと断りを入れてから書くという、ある意味で卑怯な記事であると思うのだが、実際、わからないことだらけなのである。
今、「かんぽの宿」ってそんなに重要な問題なのだろうか。
官僚の天下り、ワタリの問題が、すぐに解決しなければならない緊急課題なのだろうか。
総選挙に出馬しないと宣言した元首相の発言って、そんなに重いのだろうか。
「派遣法」を改正すれば、膨れ上がる失業者数が是正されるというのだろうか。
結論は 「わかりません!」
- 米大統領就任式に思う
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2009.01.22 Thursday
我が国の国家元首は天皇ではなく、あくまでも内閣総理大臣だ。
その総理大臣が就任の際、思い浮かぶ絵とは何だろう。
名前が呼び上げられ、党員が拍手で称える。
天皇陛下による認定式。
組閣後にモーニングで記念撮影。
記者会見と質疑応答。
制度の違いとはいえ、テレビで合衆国大統領就任式の熱狂を眺めていると、
トヨタが売上でGMを抜こうが抜くまいが、根本的に国力に差があり過ぎると思った。
地味とか派手とかの問題ではなく、覚悟を促す環境作りが違いすぎるのだ。
そこには想像を絶するような熾烈な選挙戦をフルシーズン闘い抜いた末の栄光がある。
任期中に政権が交代するなどという発想がないため、祭が完結しているのだ。
そもそも日本の国家元首が簡単にステージを降りてしまうのは、
最初に祭らしい祭が行われないためではないだろうか。
次の首相が一郎なのか太郎のままなのかはわからないが、
国立競技場あたりで観客を集めて決意のスピーチぐらいはやるべきだろう。
更にそこにオバマも列席させたれ!と思う。
- 幾らなんでもやり過ぎではなかろうか
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2008.09.27 Saturday住処周辺の地図を調べる用があって、
Googleに住所を打ち込んで地図検索してみたら「ストリートビュー」のボタン。
クリックしてみたら、いきなり我がボロアパートの写真が映されたではないか。
いやはや、のけぞりました。
航空写真で屋根がズーム出来るのも大概だと思っていたのだが、
これでは貧乏がバレるではないか(苦笑)。
そうか、これが噂のGoogleストリートビューってシロモノなのかと、
遅ればせながら驚いてしまった。
確かにこりゃ物議のひとつも醸すだろうとは思いながらも、
事務所が入っているビルの横でタバコを一服する我が姿が写っていないかとか、
以前やっていたビデオ屋が今はどうなっているのか眺めていた。
そうか、あの米屋がコンビニになったのか…。
ありゃ、煮込みだけが妙に旨かったあの飲み屋、とうとう締めちまったよ…。
地主さんは、結局、梨畑を宅地にしてマンション建てたと…。
小学校の正門にある文房具屋は改築もせずに40年前と同じ姿だったのを見ると、
同級生だったあそこの倅はきちんと跡を継げているのかと案じてみたり、
懐かしさも手伝って、そこそこ時間はつぶせるだけの楽しさはあった。
しかし、今一度近所の周辺を散歩してみたら、
人が窓から顔出していたり、洗濯物などまる写り。
これでは、第三者に対して迂闊に住所も教えられないではないか。
私は個人情報などについては無頓着な方なので、
治安目的でそういうものを国家や警察が管理すのは構わないと思っているし、
そればかりか、指紋押捺の義務化さえ厭わないのだが、
「簡単に他人の住処周辺の画像情報を手に入れることが出来る不特定多数」
という現状には、どうしても気持ち悪さを覚えてしまう。
航空写真のままで止めておくべきだったのではないか。
それにしてもこれらはいつ頃撮影されたのだろう。
これをアップする圧縮技術もさることながら撮影作業も大いに気になるところだ。
広告収入のための閲覧者獲得というサービスの一貫だとしても、
楽しさと背中合わせにある薄ら寒さも禁じえない気がする。
幾らなんでもやり過ぎではなかろうか。
- しのびねぇなぁ〜
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2008.07.19 Saturdayと、トータルテンボスの漫才からタイトルを頂戴しました。
いやはやブログの更新がこんなに「かったれー」もんだとは思わなんだです(汗)
今月に入ってから、たったの1件。コメント欄以外はほとんど動いておりません。
にもかかわらずアクセスカウンターを覗いてみたら一日100件超えていたりで、
こんな宣伝もしていない辺境のページでも「あのバカ、何かほざいてるんか?」と
気にしてくださる方がおられると思うと、まったくもってしのびない限りでございます。
書くネタがないわけではないのです。
例えば、先日、どんど晴れている中で高田馬場にオープンした岩手の麺屋さんにて、
生まれて初めて、名物の「じゃじゃ麺」なるものを食しまして、
イーハトーブの気分を満喫したついでにブログに書こうなどと思い、
食べる前に写真まで撮ったにもかかわらず、連日の残業祭りと猛暑で帰宅したらヘロヘロ。
深夜にパソ立ち上げてみても、気分はもう食い物から遠く離れてしまっていたのでボツ。
例えば、外周りで六本木周辺を歩いていて、すっかり変貌した街並みにトーキョー迷子。
その時のことを書こうと思いつつも今イチ気持ちが乗ってこないのでボツ。
大分県の教育委員会の不正発覚やら、漁船の休業やらネタにはこと欠かないにしても、
そもそも深夜帰宅、朝ギリギリまで寝るという日々の中でニュースへの知識が浅すぎます。
それでも寝苦しい中で本はやたら読んでいますが、それは別の場所を用意しております。
と、そんなこんな日々繰り返しているわけでございまして、
アクセスして戴いている方々にはもう一度書いておきます。
………しのびねぇなぁ〜
そこでふとyahoo!のトピックスをつらつらと眺めておりまして、
河内家菊水丸師匠の新聞読みではないですが、この時点でのトピックスについて、
浅いながらも、とんちんかんなことでも書けばそれなりに面白かろうと挑戦してみました。
以下、7.19 23時24分更新のトピックスは以下の8項目でございます。
●日弁連「法曹の増員減速を」
●石原氏 車内接待「飲んじゃう」
●米シティ 損失合計5兆円超に
●チーズ高騰 代替品発売相次ぐ
●水素水が記憶力低下を抑制
●7投手で12四死球 広島自滅
●山本KIDじん帯断裂 全治6か月
●新たなターミネーター役決定
まあ自分の勉強にも、外回りのネタにもなるということですね。
文字制限は各5行以内ということにします。
●日弁連「法曹の増員減速を」
【記事】日本弁護士連合会は18日、理事会を開き、司法試験の合格者数を2010年ごろまでに年間3000人に増やす政府目標について、「法曹の質を低下させることになりかねず、当面は法曹人口増員のペースダウンが必要だ」として、増員の時期を遅らせるよう求める緊急提言をまとめた。(読売新聞)
医療と法曹が深刻な人手不足とはよくいわれていることだが、医療はともかく弁護士や判事の人手については首都圏に住んでいると今ひとつピンとこない。これも地域格差の問題なのだろう。迅速な裁判の進行は望まれるところだが、弁護士が増えて欧米並みの訴訟社会になるもの嫌な話で、このあたりは来年から施行される「裁判員制度」との兼ね合いもあるかも知れない。日弁連としては競合の激化は抑えたいというのが本音か。
●石原氏 車内接待「飲んじゃう」
【記事】東京都の石原慎太郎知事は18日の定例会見で、07年度に深夜の帰宅でタクシーチケットを使った都職員29人が運転手から缶ビールの提供を受けていた問題について「『お疲れでしょ』って運転手が出した冷えた物を、おれならついうっかり飲んじゃうな。いけないのかね」と述べた。(毎日新聞)
居酒屋タクシーなんてものがあったことには驚いたが、別に税金が使われているわけではなく、贈収賄にあたるわけでもなく、タクシー会社が身銭きって営業活動でやっていることについて大した問題だとは思えない。官僚が民間にたかるという構図にマスコミは「けしからん」となるのだろうが、私にはマスコミの官僚コンプレックスによる世論誘導が見え隠れしているのがよっぽど気持ち悪い。知事の正直さも恐い気もするが(苦笑)
●米シティ 損失合計5兆円超に
【記事】 【ワシントン斉藤信宏】米金融大手シティグループは18日、08年4〜6月期決算が24億9500万ドル(約2700億円)の最終赤字(前年同期は62億3000万ドルの最終黒字)になったと発表した。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の評価損などが72億ドル(約7700億円)に膨らんだことが響いた。赤字決算は3四半期連続だが、赤字幅は1〜3月期の51億ドルからほぼ半減した。(毎日新聞)
実は定期預金を投資信託型に変えたので、サブプライム問題は私の財布も直撃している(大爆)。メリルリンチだかレンチだか工具みたいな会社(ひでえ〜)の赤字額が4兆円を超えるなんて話を聞くと、強弁な反マルクス派も今の資本世界の実態には首を傾げざる得ないのではないか。まあ、総額表示を印刷した商品が消費税の値上げで「どうなるんだよー!」と喚いているレベルの当方としては、まったくピンとこない話ではあるのだけど。
●チーズ高騰 代替品発売相次ぐ
【記事】チーズの価格高騰を受け、業務用チーズの代替品発売が相次いでいる。植物性油脂などにチーズを2〜3割混ぜたもので、100%チーズの商品より2〜3割安い。パンや冷凍食品など加工食品向けに需要が大きく伸びている。(毎日新聞)
私は無類のチーズ好きだ。自分のことをチーザーと呼んでいる(笑)。パスタなどは粉チーズを雪のように振りかけ周囲の顰蹙を買っている。小腹が空くと冷蔵庫からスライスチーズを喰ったりもする。さて、バターが品不足ならば当然チーズも品不足になるわけで、チーザーとしても深刻な事態となったわけだ。まあ贅沢なナチュラルではなく普段からプロセスで満足しているので混ぜ物でも構わないのだが、不味くなるのは勘弁願いたい。
●水素水が記憶力低下を抑制
【記事】水素水を飲むことで、記憶力(認知機能)の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。(読売新聞)
記憶力の低下かぁ。人の名前が思い出せないなどの老化現象は普通に受け容れられるようになったのだが、やっかいは外回りをしていて商談相手の顔が憶えられなくなってきたこと。下手こくと名刺の二重渡しをしてしまいそうになる。水素水か…。「ドクター水素水」なんてテレビ通販で目にするのものの、なんかこういう記事が出ると学会と業者がつるんでいると穿ってしまうのは私の悪い癖でもある。
●7投手で12四死球 広島自滅
【記事】ヤクルトが、1点を追う七回に5点を奪って逆転勝ち。まず2四球に敵失が絡んで1死二、三塁から、相手投手の暴投で同点とし、飯原、川端の適時打でさらに4点を奪った。八回にも田中の犠飛で1点。広島は投手陣が計12四死球と大乱調。守乱も響き、リードを守れなかった。(毎日新聞)
ならば先日の甲子園カープ三連戦で10安打7点しか打てなかったタイガースはよっぽど深刻な状況だということか。いや確実に打線は湿っているのだが、タイガースのことはここではいいでしょう(笑)。カープとスワローズには頑張ってもらいたいと思っている。エースと4番を流失してしまったチームがクライマックスシリーズに進出してくるなんて痛快ではないか。今年限りの市民球場に最後のひと働きをさせてあげたいものだ。
●山本KIDじん帯断裂 全治6か月
【記事】7月21日に大阪城ホールで開催される「DREAM.5 ライト級グランプリ2008決勝戦」に出場を予定していた山本“KID”徳郁の欠場が18日、東京都内のホテルで発表された。KIDは練習中に右ひざ前十字靱帯を部分断裂し、現時点での医師の診断は全治6カ月の重傷。今年中の復帰も絶望的となった。(スポーツナビ)
“神の子”も本当に怪我が多い。現実問題として新生DREAMにとっては最大の目玉が喪失したわけで、サダハルンバ谷川も「んあ〜」と天を仰いでいることだろう。一番気の毒なのはKID目当ての城ホールの観客で、大会3日前の欠場決定は痛すぎる。しかし格闘技界の至宝であるのだから慌てずに治療に専念して欲しい。これで本来のメインであるグランプリに注目が集中するのだから宇野、青木、川尻はアルバレスに優勝をさらわれることなく観客を熱くさせてもらいたいものだ。(あ、5行の制限を越えてしまった…汗)
●新たなターミネーター役決定
【記事】2009年5月22日に公開される「ターミネーター」シリーズ最新作『Terminator Salvation: The Future Begins』で、長らく秘されていたターミネーターを演じる俳優の名がついに明らかになった。(MYCOMジャーナル)
『ターミネーター』は現カリフォルニア知事の一代芸として封印されるものだと思っていたら、シリーズは続行されていたようだ。ハリウッドの情報についてはすっかり疎くなっている。オーストリア出身のボディビルダーに白羽の矢が立ったようで、シュワちゃんのコピーが求められるのは仕方ないことか。J・キャメロンが再メガホンをとるのなら観に行ってもいいが、いい加減に観ていたシリーズだから…どうでもええです(苦笑)
以上、ざっとYahoo!のトピックスをざっくりと取りあげてみたが、こうして書いている間にも全国で梅雨明けが発表されたり、宮城で地震があったり、ニュースも次々と更新され、世界は刻一刻動きながら情報が矢継ぎ早に押し寄せてくる。
その一瞬だけを切り取って「あーだこーだ」と戯言を繰り出すことに意味があるのかどうかわからないが、やっていて楽しくはあった。
ということで「○月○日更新Yahoo!トピックスから」というネタでシリーズ化します。
今回はカテゴリー「戯言」にしましたが、次回から「時事」とするつもりですが、はじめにトピックスの内容ありきで書くのではなく、不定期ながら書こうとした時のたまたまのトピックスで書いて行きますので、ぐだぐだになることは今から予想がつくところです。
…まったく、しのびねぇな〜