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M−1グランプリ2010決勝戦 雑感
 正直、最後のM-1はブラックマヨネーズやチュートリアルが一気に突っ走り、サンドウィッチマンが敗者復活からぶっちぎったときと比べるとコクに欠けた気がする。

 そんな中、スリムクラブが台風の目となった。
私はこのコンビが全国生放送という大舞台にどれだけ通用するものか興味津々だったので、
審査員を困惑させるほどの殺傷能力を発揮したことを大いに喜びたいと思っている。
間違いなく芸の実力としては出場9組で一番下手糞だ。
しかし観る者を「こいつらが優勝してしまっては、笑い飯の9年間があまりにも不憫」という心理に陥れ、笑い飯を正統派にしてしまうほどの強烈な個性は半端ではない。
一発勝負のコンテストがもたらした文字通りの怪物だといえるだろう。
グランドファイナルの葬式ネタは去年の新宿ルミネの三回戦でもやっていたので、おそらく使える引き出しはそう多くはないのだと思う。
私はスリムクラブに一番注目していたのに、来年、あの風体でテレビに引っ張りだこになってしまったら、それはそれで憂鬱になるのだから、けったいなコンビではある。

 パンクブーブーはなぜ同じネタを繰り返してしまったのだろう。
今夜の出場者中で唯一180度違うネタで勝負がきくコンビだけに、M-1最後のステージであれはない。
実はこのパンクブーブーも含めて、9組中、カナリアを除く8組が両国国技館での準決勝と同じネタだった。
同じネタで準決勝では笑い飯の「サンタウロス」が圧勝して、パンクブーブーは敗者復活戦に落とされたのだが、本番では事実上首位でグランドファイナル進出。
国技館でのパンクブーブーは正直言うとかったるさがあったのに、今夜の一回戦では同じネタが見違えるように冴えていた。
やはりネタは生き物だということだろう。ただ繰り返してしまっては鮮度は落ちる。

 優勝は笑い飯。
結局、M-1の申し子が最後のM-1を制した。
どうもポール・ニューマンのオスカーや北島三郎のレコード大賞のように、功労賞的な優勝という気がしないでもなかった。
結局、どう考えても優勝より9年連続決勝進出の方が偉大。
私には優勝を決めた瞬間の西田の顔が“君臨王”セルゲイ・ブブカに見えた。
おそらく今日のネタが過去最高の笑い飯だったとする観客はいなかったのではないか。
早々に優勝を決めて上がってしまうより、M-1をレギュラー番組にしてステータスを築いたコンビだけに、「一夜にして人生が変わる」というM-1のシンデレラ神話の色合いには染まりようもない気がする。
もちろん仕事もギャラも増えるだろうし、運がよければ全国ネットの冠番組のMCを手に入れるかもしれないにしてもだ。

 4835組の予選エントリーには箸にも棒にもかからない素人も多くいたに違いないが、全国ネットのネタ見せ番組の少なさと、お笑い市場のパイを考えると異常な数ではある。
それだけM-1が熱を膨張させたのならば、ここにで一度、潮を引かせることも必要なのかもしれない。

 島田紳助曰く、
「漫才師になる人間には、3つの人間がいるんですよ。1つ目は才能のある人間。この人、幸せになれます。次が才能のないのに気づいて辞めていく人間。この人も次の人生で幸せです。一番不幸なのが才能のない事に気づかずいつまでもやってる奴。こいつらを何とか辞めさせてやらんと次の人生不幸になると」

 私もお笑いは好きなので、これからも観ていくと思うが、M-1の予選の会場に4年連続で出かけるなど少々入れ揚げすぎたようだ。
その意味では笑い飯の戴冠は幕引きに相応しかったのかもしれない。

author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 02:11
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M−1グランプリ2009決勝戦

【直前予想】

この文の書き出しは12月20日の午後17時40分。
『M−1グランプリ2009』の中継開始寸前といったところ。

出場順はこんな感じ。

1.ナイツ (マセキ芸能社)
2.南海キャンディーズ (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
3.東京ダイナマイト (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
4.ハリセンボン (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
5.笑い飯 (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
6.ハライチ (ワタナベエンターテインメント)
7.モンスターエンジン (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
8.パンクブーブー (よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
9.敗者復活枠

M-1グランプリ2009決勝出場者

 メンバーを観ると、乗っているときとそうでないときの差が出るコンビが多い。
私が11.26に新宿で観た3回戦で、決勝のステージに上がったのはナイツだが、
安定感では今出場メンバー中でピカイチではある。
ただ彼らの芸風がM−1の4分間では十分に生かされないことは去年の最終決戦で実感したことだろうから、今回はどうアレンジしてくるか。賞レースとは別に楽しみ。
トップバッターは不利といわれるが、爆笑スピード系でたたみかけてくる笑い飯などの後にやるよりもいいような気もする。

 怪物ではなくなったしずちゃんから、山里のキモいキャラを生かすネタに路線を変更した感があるが、南海キャンディーズは数年前の初出場の時が最高の出来で、あれ以上のものは出せないのではないか。

 爆発するともの凄いことになるのが東京ダイナマイトだが、スベる時は思いっきりスベるのでどうなることやら。
気がつけばよしもとに所属したようだが、かつてのインディーズ芸人のいかがわしさがどう評価されるか。

 ハリセンボンの、女の子の自虐ネタと大仰なリアクションはあまり好きではない。
2年前のように「まあ健闘した」程度では許されないことは本人たちもよくわかっているだろうが。

 笑い飯についてはいつも思いは同じ。8年連続決勝進出は偉業だと思うが、
彼らの敵は他の8組ではなく、過去の自分たち自身のステージだ。
出場資格最後の年。M−1の申し子は燃えているはずだ。優勝候補の筆頭か。

 ハライチはおそらく優勝を狙うというより「自分たちの力を精一杯だそう」というレベルにあると思う。残念ながらアドリブなのかどうかわからない後半のたたみかけで私は笑った記憶がない。

 モンスターエンジンは、目つきを見ただけで異様な気合に燃えているのがわかる。
間違いなく上を獲る気で来ている。あまりネタを観ていないので何ともいえないのだが、イメージでは立派な優勝候補だ。
出場順も最高の位置を確保したのではないか。

 パンクブーブーは2、3度見た程度、華がないのだろうか、殆ど印象がない。
M−1は人生が透けて見えてくるのも大きな魅力なので、
そういうものをこのコンビで見てみたい気がする。

 昼間からやっていた敗者復活戦をCSで観ていたのだが、
どのコンビも準決勝まで進出した実力は十分に感じた。
今年の放送は途中でブチ切れたので全体を把握できなかったのは残念だったが、
私がライブで爆笑したカナリア、ハマカーンはどうだろう。
最近は敗者復活枠というよりも優勝候補枠との感があるので、この枠は怖いのだ。


…ということで、中継が始まったので、終了まで一旦席を離れるとする。


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【中継終了】

12月20日の午後21時00分。

 優勝はパンクブーブー。
いやはや華がないなんて関係ない。
かつてのブラックマヨネーズだって華はなかった。
上沼恵美子ではないが、私的にも圧勝だった。
一回目も決戦も観終わった後にパチパチと拍手をしてしまったほど。
派手さはなくても練られた漫才はいい。ツッコミにもボケもこちらの予想を遥かに上回るクオリティがあったし、ちょっとしたフレーズの伝い方の上手さには隙を感じさせない。
キャッチコピーで使われた“9年目の正直”ではないが、
苦労人が報われたというフィナーレはよかったと思う。

 全体としても去年よりもレベルは数倍も上だったと思う。
笑い飯はもちろん、南海キャンディーズもハライチも決して悪くなかった。
ただ、パンクブーブーが優勝したということは、オーソドックスな漫才の公式があって、
その精度を高めて完成させたというスタイルが一番ウケたということで、
新たな公式が今年のM−1からは生み出せなかったという恨みは残った気がする。
期待の敗者復活枠からNON STYLEが出てきたのも実力だから仕方がないにしても、
ここで未知なる怪物の登場がなくなったのかと思い、正直失望した。
最終決戦進出が決まった瞬間に井上がカメラにポーズを取ったのも気に入らない。
私は従来のYahooネタを封印しても3位につけていたナイツが観たかったからだ。

 ただ、こうして偉そうにM−1について書いてみたものの、
笑い飯の「鳥人」が大ウケで、「チンポジ」がダメだった理由がよくわからない。
何を隠そう私の目はふし穴なのだ(爆)



author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 22:00
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「R−1ぐらんぷり2009優勝戦」 感想
 今夜放送が終わったばかりのピン芸人日本一を決める「R−1ぐらんぷり」の感想を。

 今まで漫才の「M−1」に比べると「R−1」は地味な印象があったのだが、
ゴールデンに進出した途端に豪華な雰囲気に一変した。
やはりお笑いは確実に数字が取れるジャンルなのだろう。
それでも「なだぎの連続Vを阻止するのは世界のナベアツか?」といわれた去年と比べ、
よくいえば実力伯仲で、悪くいえば本命不在だったということか。
しかし大舞台というシチュエーションは芸人にとてつもない集中力をもたらすのだろう。
全体的な中身の濃さでは十分に満足のいくものだった。

R−1ぐらんぷり2009


■夙川アトム
おそらく関西人なら当たり前のように「しゅくがわ」と読めるのだろうが、
私は昨夏に黒川博行の小説を読んで初めて読み方を知った。
夙川アトムのネタはひと昔前のギョーカイ人の語彙をネタにしたもの。
我々もケーハクであることがブームだった大学時代にはよく使ったものだ。
「シーメにすんべ」とか「バイトの給料日にルートコ行ったべ?」とか。
ただナイツの漫才ではないが、言葉遊びがお笑いのトレンドになっているのはわかるし、
「ちゃんこ鍋」を「べなちゃんこ」と言い換えるのは秀逸だったとしても、
ギョーガイ用語のアホっぽさだけでネタを延々と繋いでいくのは難しい気がする。
なにせ言葉遊びも「3と3の倍数でアホになります」までイってしまったのだから。

■岸学
コントコンビの「どきどきキャンプ」の岸学がピンで登場。
しかしネタは例によって『24』のジャック・バウアーの物真似だ。
物真似というのもピン芸の重要なバリエーションのひとつなのだから、
岸の出場は大会の彩りとしてある意味では貴重だったとは思う。
しかし、お約束の携帯からクロエにデータを送る笑いどころなども含め、
ジャック・バウアーの物真似が万人の理解するところなのかどうかは不明で、
かなり賞味期限が短いネタでもあり、グランプリという場に相応しいものなのかどうか。

■バカリズム
個人的には一番面白かった。
「とつぎーの」時代は、あまりこの人のテンポは好みではなかったが、
そのテンポをネタに合わせて自在に替えることが可能だと知ってから面白くなった。
それにしても、この人の発見と着想能力には目を瞠らせるものがある。
「都道府県の持ち方」など、どうしたら思いつくのだろうと想像するだけでも楽しい。
ネタ探しに日本列島の県別の白地図を見ていて、突然神が降りてきたのかも知れないし、
社会科の授業で、小学生の時からおぼろげながら考えていたのかも知れない。
その着想を最後までやり通しつつも、バリエーションを加えていく手法も凄かった。
確かに芸を観たというよりもアイデアを観たという印象ではあったが、
私が審査員だったら、間違いなく優勝をバカリズムになるようにもっていったと思う。

■エハラマサヒロ
ボケとツッコミのコンビ芸がお互いの長所と短所を生かし、補い合うという芸ならば、
ピン芸人はいくつもの持ち味をひとりの身体の中に蓄えておかなければならない。
その点でエハラマサヒロはネタを披露したというよりも、芸を披露したのではないか。
個人芸としてのスペックでは出場者中でも最大級のクオリティだった。
ギターを持ちながらの芸は、リズム感で一気に観客を乗せられるという利点もあり、
バカリズムが一気に温めた客席を完璧に湧かせたのではないかと思う。
あとは芸が決まりすぎて、笑うよりも感心させてしまうという妙な難点が気にはなった。
巧すぎて疲れたというのが本音か。

■サイクロンZ
笑芸というのは話芸が中心にあるべきだとは思うのだが、
動けるということだけで舞台やテレビでは十分に武器になる。
ただダンスを細切れにして、説明の後に別々の音楽に乗せて踊るというパターンでは、
少々、観ていて飽きていた気がする。
最後はフィナーレとして全部を通しで踊って見せればもっと高得点となっただろう。
去年の芋洗坂係長のような体型とのギャップがあるわけでもなく、
年齢的に動ける間が花というのは将来的には厳しいのではないか。

■鳥居みゆき
「芸人は笑わせてこそ一流。笑われてはならない」とはよく聞く言葉だが、
鳥居みゆきにこの言葉は当てはまらない。基本的に彼女は笑われることで存在している。
おそらくワンマンライブで、共通した期待が結集するLIVEで光る芸人なのではないか。
それ以前に存在からしてメジャーなグランプリを獲ってはいけない宿命にあるようで、
こういう大会ではスパイスとしての役割を担うしかないような気がする。
正直いえば去年の方が衝撃的なハチャメチャで彼女らしいステージだと思った。
突然、フリップのネタを始めてぐちゃぐちゃにした場面など、なかなか皮肉も効いていた。
今回はこっくりさんというネタで一本の筋を通してしまったのは失敗だったと思う。
そもそも観客の誰もが鳥居みゆきに巧みな構成など期待していないのだから。

■鬼頭真也
「万年図書委員」というキャラで一気に台詞をまくし立てながら、
これも言葉の連結によるギャグなのだが、やはり小劇場の劇団員然とした雰囲気に、
話芸で観客を引っ張るというよりも、暗記した台詞をきちんと披露したイメージだった。
最近は明らかに芝居畑の若者がお笑いの舞台に立つというケースが多いように思うが、
ネタで笑うというよりも、寸劇を観ているような気分にさせらてしまう。
寄席などではこういう芸風を観ると安心することもあるのだが、
やはりグランプリという勝負の場では、お笑い芸人としての性根も問われるのではないか。

■COWCOW山田よし
普段、漫才をやっているときは、伊勢丹の袋柄ジャケットの相方が目立ち、
山田よしの方は一歩引いた感じで控えめなツッコミに徹しているようだが、
新宿ルミネで新喜劇に出ているのを観たときは、なかなか堂々とした印象だった。
ピン芸のひとつの大ジャンルとなったフリップを使ってのネタとしては申し分なく、
ひとつの世界を作り上げ、そのルールの中で笑いを取っていたのはさすがだった。
これは芸人としての押し出しの強さで観客を乗せていくということで、
舞台人としての大事な資質を持っているということだろう。
最後にフリップで紹介したキャラクターのカーテンコールでのオチも決まっていた。
よく考えてみたら、最後にオチをつけたのは山田よしだけである。

■あべこうじ
今回の出場者中で、唯一小道具を使わず話芸だけで勝負する本格派ではある。
ただ若手というのは失礼なほどピン芸人として場数を踏んでいるので、
安心して観ていられる代わりに、ここぞという新鮮な爆発力はない。
去年の「R−1」よりも数段に面白かったのだが、
何となく本番前に客席を温めるために出てくる前説のように聞こえてしまうのだ。
今のお笑いのトレンドになっている「うざキャラ」としては第一人者なのだろうが、
早くも将来は芸人ではなくMCとして生きていく姿が想像できてしまう。
「うざキャラ」が上手すぎて、観るほうが本当にうざく思えてしまうのは難点か。

■中山功太
結果的にはラストに出てきて、ずっと首位を守ってきたエハラマサヒロをひっくり返し
見事に優勝賞金の500万をかっさらうことに成功した。
披露したネタ自体はお笑いの王道である「あるある」ネタなのだが、
そこに時報を取り入れたアイデアの勝利だったと思う。
時報を使えばシニカルにもシュールにもハートフルにもなるので自由自在なのだが、
願わくは同じ調子で4分を終わらせるのではなく、最後にストンと落として欲しかった。
さて、これで一気に名前も売れることになるのだろうが、
よい意味での芸人臭さが希薄であるのは気になるところ。


 以上、言葉遊び、物真似、フリップ、歌、ダンス、うざネタ、あるあるネタと、
今、流行のお笑いの要素がバランスよく配分されたことで、大会は成功だったと思う。
ただ友情や確執が渦巻くようなコンビ芸の「M−1」と違い、
「頼れるものは己のみ」的なストイックさが「R−1」にはあるような気がする。
どちらにしても、緊張感と闘いながら観客を笑わせるというのは大変なことだろうし、
この一瞬にすべてを賭ける若者の姿は本当に観ていて清々しいものだ。


author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 02:47
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M−1グランプリ2008決勝戦 雑感

 いきなり出て来たサンドウィッチマンのオートバックスのCM。
そういえば去年の今頃、CMはチュートリアルだったなと思いながら、
いよいよ『M−1グランプリ2008』の決勝が始まった。
それにしてもキムニイの控え室レポーターが滑らかになったものだ(笑)。

M-1GP2008 

 結果から先に書いてしまうとNON STYLEが見事に初出場でグランプリに輝き、
図らずも前回記事の準決勝後のコメント欄に書いた「NON STYLEはもしかするとグランプリを制覇するかという勢い」の予想が的中した結果となったのだが、
だからといって、そんなことを自慢するつもりはない。
オードリーが敗者復活で上がってきたこともさることながら、
なによりもトップで最終決戦に残ったことに対して信じられないという思いが強かった。
申し訳ないがオードリーがトップだった『M−1グランプリ』って何だろうかと。

 なによりも番組全体を通して思ったのは審査員(中田カウス、大竹まこと、オール巨人、渡辺正行、上沼恵美子、松本人志、島田紳助)たちの無知蒙昧ぶりだった。
まず出演者への知識が乏しく、ネタに対する理解の浅さは見ていて痛々しいばかりだ。
もちろんM−1はレコード大賞ではないので、年間を通して活躍した漫才師に与えられるMVPとしてではなく、この場で最も面白かった芸人に与えられる賞であるという前提がある以上、審査員たちの無知は先入観のない公平さゆえに許容されるものかもしれない。
しかし、そのネタが今、お笑いシーンにおいてどの程度に認知され、電波媒体に乗っているのかに対してあまりにも無防備すぎるのではないだろうか。

 ナイツ、ザ・パンチ、オードリーはネタのスタイルが特殊に固定され、年間を通してどれだけゴールデンタイムの電波に露出し、そろそろアレンジを変えていく時期に差し掛かっている筈なのだが、審査員たちにとって斬新なスタイルに思えていたとすれば、肥大したイメージの『M−1グランプリ』という器にかなりの矛盾を抱えてしまったように思えてならないのだ。
とくに審査委員長である島田紳助が本音まじりに「今年のM−1のメンバーは知らない連中ばかりで弱いかなと思っていたが、レベルの高さに安心した」というコメントに対し、
司会の今田耕司あたりは「みんなゴールデンのネタ番組で揉まれてる連中ばかりでっせ」
とツッコミを入れたかったのではないだろうか。

1.ダイアン
2.笑い飯
3.モンスターエンジン
4.ナイツ
5.U字工事
6.ザ・パンチ
7.NON STYLE
8.キングコング
9.オードリー(敗者復活戦勝者)

 その煽りを喰らったのがオーソドックスなネタで挑んだダイアンだったのではないか。
個人的にはダイアンの漫才らしい漫才をもう一度見たかった。
トップバッターではなく5組目くらいなら最終決戦に残っていたのではないか。
まったく「トップが不利」という定説なんてものは審査員の不徳の致すところだろう。
紳助がいうように「今年のM−1はレベルが高い」のだとすれば、
斬り込み隊長となったダイアンによるところが大きかったと思うのだが、どうだろう。

 そろそろ“ミスターM−1”とかいわれかねない笑い飯は去年より格段に面白かった。
しかし、「去年よりは」という但し書きの域を出なかった。
暫定ボックスから脱落するときのコメントで笑わせるのもそろそろ飽きてきた気もする。
9組中初出場が7組という決勝戦で、求められるのは安定感ではなく新鮮味なのか。
しかし他のコンビが普段のスタイルを最大限に高めて、ライバルに勝つことを目標にしているのに対して、彼らは過去のバカウケした自身のステージとも戦わなくてはならない。
このハードルは相当に高い。

 モンスターエンジンは初めて見た。未知なる芸人に対する期待は大きかった。
個人的には悪くないと思ったが、ネタが漫才というよりもコントに近い気がした。
台本を書き直してエイリアンの被りものでコントをやった方が面白いのかも知れない。
まだ彼らの立場からすれば「よく頑張った!」でよいのではないかと思う。
しかし出場者中で最もキャリアが浅いことを抜きにしても、確かな伸びシロは感じた。

 ナイツは老成したニューフェイスという感じで、個人的には一番応援していた。
やはりどこかに非よしもとで東京のお笑いを応援したい気持ちがあった。
彼らは勢いで熱演するスタイルではないので会場ウケが今イチに思え冷や冷やしたが、
正直、一回目で高得点が出たのは意外だった気がする。
実は宮崎駿ネタもSMAPネタも初めて見たわけではないのだが、勘違いボケの面白さとツッコミに見せかけた解説のやりとりは絶妙で、すでに古典の域を感じた。

 U字工事は栃木県vs茨城県ネタではないもので面白いものが一杯あるのだが、
このスタイルで私もツボにはまった一人なのでステージとしての満足感はある。
とくに「栃木の人間が茨城の女と結婚したら住むところは群馬しかなかっぺよ」と、
「埼玉に住むって?おメェ何、夢みてぇなこといってんだ」は土地鑑があるので笑える。
実はU字工事、ナイツ、ザ・パンチ、NON STYLEは準決勝と同じネタだったのだが、
メルパルク東京のステージよりも出来が良かったと思えたのはU字工事だけだった。

 ある程度、盛り上がってきた大会の熱を下げた形となったザ・パンチ。
私的には今田、渡辺、松本がいうほど出来がひどいとも思わなかった。
正確にいえば彼らの“リラックスしてやっている”時だってこんなものなのではないか。
今回、オードリーがウケて、ザ・パンチが沈んだ結果になったのは、
ツッコミのボキャブラリーだけで笑わせるのはコンテストでは限界だったということ。
彼らの漫才は観客の顔を見ていないのも気になるところで、
やはりツッコミが最終的にボケも引き受けるスタイルは辛かったか。

 NON STYLEが今年の“M−1の顔”となり、2本ともボルテージを落とさずにやりきった唯一のコンビだったと思う。
やはり喋くりで畳み掛ける技術はピカイチで審査員受けもある程度は予想していた。
しかし、近々のブラマヨ−チュート−サンドと来たグランプリ優勝者のボルテージと比べればどうだったかというと物足りなさを感じてしまった。
今年の“M−1の顔”が審査員曰く「圧勝だった」とすれば、イコールで今年のM−1が物足りない大会だったということになってしまうのだが、これはNON STYLEに責任を押しつけるのは酷のような気がする。

 優勝候補といわれたキングコングは中田カウスの「頭だけで漫才をやってハートがついていってなかった」という評に尽きる気がする。
準決勝とネタを変えてきたのが完全に裏目に出たように思う。
勘違いかもしれないが、梶原が振ったアドリブを西野が返さずに投げた場面も見受けられ、
彼らとしては相当に不本意な結果となっただろう。
自信ゆえに勝負ネタを最終決戦にとっておいたということだろうが、
もし残ったらNON STYLEとオカルトネタで被ることになり、それはそれで観てみたかった気もするのだが…。
どちらにしても「十分に売れているのに挑戦し続ける勇気」という評価は限界だろう。

 去年のサンドウィッチマンにも同じことがいえるのだが、
オードリーがM−1の出囃子で登場したときにはもの凄い違和感があった。
予選大会で初めて彼らを観たときは、ザ・パンチと並んでインディーズ臭さプンプンで、オーラなど微塵にも感じることは出来なかった。
意外にも今年のM−1で私が一番面白かったのがオードリーの一回目のネタだった。
しかしオードリーのトップ通過によって落選した笑い飯の方が実力は格段に上なのだが、
今回のオードリーの存在はM−1の面白さと恐さと矛盾を体現したのかもしれない。

 などと我ながらかなり上から目線で今年のM−1について書いてきたが、
NON STYLEがギャグの量で圧倒していたのは紛れもない事実であり、
彼らを含め、この世知辛い世の中で笑いを提供してくれた芸人たちに拍手を贈りたい。

 …少々無難な〆ではあるが(笑)。



author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 04:05
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赤塚不二夫を読んでみたのだ

 赤塚不二家の棺の前で白紙の弔辞を読んだタモリ。おそらく私が今まで聞いてきた中でも最大級に感動させてくれた弔辞だと思うのだが、それに刺激されて、代表作と思われる『ひみつのアッコちゃん』『おそ松くん』『もーれつア太郎』『天才バカボン』『レッツラゴン』の選集(小学館文庫「赤塚不二夫名作選」)をAmazonに注文。先日、在庫のある3冊が送られてきた。

 逝去の報せを受けて、口の悪い友人が「赤塚不二夫ってまだ生きてたのか?」と言い放ったのには大いに苦笑したものだが、現実、赤塚不二夫はもう何年も意識の戻らないまま寝たきりの状態が続いており、 “ギャグ漫画の巨匠” としてのキャリアはとっくの昔に終わっていたのは確かだった。

 実際、私が赤塚マンガを目にするのも中学生以来のことだから、三十数年ぶりのことだった。その中学時代にしても定期購読していた少年サンデー連載の『レッツラゴン』は既にキャリアとして晩年であり、内容もハチャメチャにシュールなものになって、「赤塚マンガよどこに行く?」という域に達していた。
『レッツラゴン』で忘れられないのが、巻頭にドカンとヌードの絵があって、マンガのタイトルよりもでかい字で“ポルノ劇場”という文字があり、母親から「一体何を読んでるんだ?」と突っ込まれ、慌てて少年サンデーを閉じた記憶がある。このあたりの赤塚不二夫はもう壊れかけていたのだと思う。

 マンガ自体を読まなくなっていた高校時代以降に赤塚不二夫を見たのは『気分を出してもう一度』という日活ロマンポルノだった。サブタイトルは「赤塚不二夫のギャグポルノ」で、監督は山本晋也、主演男優は柄本明。赤塚不二夫はドスケベなマンガ家先生の役で宮井えりなや小川亜佐美たちとの絡みもあり、そこまでやられると「赤塚マンガよどこに行く?」というよりも、あまりの破天荒さに「このセンセはなんてフリーランスな人なんだろう」と呆れ返りながらも何となく敬意を表していたことを思い出す。
さらに映画絡みで個人的なことをいうと、昔、勤めていた会社でジョン・ランディスの『ケンタッキー・フライド・ムービー』をパクった『下落合焼とりムービー』という映画のビデオグラムを売ったことがあって、これがキャスティングのすごさでカルト的な人気を呼び、予想外のヒットにタマげた記憶がある。

 赤塚マンガを一番よく読んでいたのはやはり小学生時代だろう。
週刊マンガが先かテレビアニメが先だったかというと自信はないが、柿の種を頬張りながら夢中になって読んでいた記憶が強い。ニャロメやケムンパスの絵は小学校のクラスのみんなが描いていた。
子供の頃に思ったのが、赤塚マンガの登場人物たちはとにかく「よく動き、よく喋る」ということだった。正確にいえば歩きながら、走りながらよく喋るという印象で、それは三十数年ぶりに再見してもやはりイメージのままの赤塚マンガだったのは嬉しかった。


 最初に『ひみつのアッコちゃん』を読む。
第1回が<掲載・月刊りぼん昭和三十七年六月号>となっており、自分の生まれ年と大して変わらない頃の作品ということなる。
実はテクマクマヤコンの呪文は知っていたにしても、マンガ、アニメを通して、男の子としてアッコちゃんに接するのは今回が初めてだったのだが、いやはや面白かった。
「おしゃれをしてみたい」「お兄さんがほしい」という、いかにも庶民の女の子が持つ変身願望やわがままもそうだが、見栄を張ったり、自分より小さな男の子に意地悪をしたりする姿が本当に生き生きと描いてたのには感心する。
よく『魔法使いサリー』と比較されるが、魔法の国からほうきに乗って、街中に愛と希望を振りまくサリーちゃんは普遍的なヒロイン像だが、アッコちゃんの世界観は道端に野良犬のフンが落ちていて、原っぱの土管が子供たちの基地になっていたような昭和の風物詩の中にあり、ある意味、初期の収録作品にはトキワ荘の匂いを嗅ぐことも出来るのではないだろうか。
そしてわがままで意地っ張りな女の子が、なぜだか母親のような優しいまなざしになる不思議な瞬間があって、そこを赤塚不二夫が人情話にまとめるものだから、不覚にも琴線を刺激されることもしばしばで、昼食で入ったファミレスの喫煙席で、『ひみつのアッコちゃん』を読みながら眼を潤ませるという気色悪いのオヤジの図が出来上がってしまう情けなさともなった(大恥)。

 『おそ松くん』も昭和そのものという世界。考えてみれば六つ子がバラバラに動いている姿をひとつのコマに描くのは大変な労力だったに違いなく、同じリアクションにネームの数も6通りとなると想像を絶するキツさだったろう。とにかく『おそ松くん』を読めば赤塚不二夫がいかに多くの引き出しを持っているのかがわかる。
『もーれつア太郎』のペーソス、『天才バカボン』のナンセンス、『レッツラゴン』のシュールと変遷していったのが赤塚のギャグだとすれば、そのひとつひとつの要素になるすべての萌芽が『おそ松くん』にはあるのではないか。
ページを読み進めるうちにイヤミが登場し、チビ太が現れ、ハタ坊、デカパン、ダヨーンと今ならキラ星のようなスターが次々と集結していくさまには目眩を起こしそうになる。
「ミーのセンスはおフランス仕込みざんす」という究極の見栄っ張りであるイヤミが一転して「シェーっ!」とぶち壊れるダイナミズムは凄まじいばかりだし、チビ太ほど可愛くて、クソ憎たらしいガキが出てくるマンガを未だに見たことがない。
そして連載が重なるにつれて赤塚不二夫がキャラクターたちへの愛を深めていく過程が手に取るようにわかってくる。
収録された『イヤミはひとり風の中』など、内容は完全にチャップリンの『街の灯』なのだが、赤塚のイヤミに対する思い入れがあまりにも熱く、こちらの目頭も熱くなるほどだった。

 そして最大の問題作である『レッツラゴン』。
作品にも登場する当時の担当編集者だった武居記者が文庫本にあとがに赤塚不二夫のギャグに対する信念を記しているので一部抜粋すると、
「チビ太の頭をトンカチで殴ると、トンカチ型のコブができる。それは、小学生が喜ぶ。駄洒落は、中学生が喜ぶ。パロディーや社会風刺は、高校生や大人が喜ぶ。それをオレは、漫画にバランスよく入れる」
その信念を全部捨てたのが『レッツラゴン』ということなるらしい。
確かにここには論理の縦糸も横糸もない。もう狂暴なくらいサディスティックな攻撃的世界観があり、例えば浅学ながら現代のギャグマンガを代表すると思われる『行け!稲中卓球部』の古谷実や『浦安鉄筋家族』の浜岡賢次といえども、おそらくここまではぶっ飛んでいない。
『レッツラゴン』は三十年ぶりの邂逅としても未だに評価のつけようがないほどの圧倒感があり、これ以降の赤塚不二夫が漫画家として一気に凋落していったのも頷けるほどの怪作。

 こうして赤塚不二夫の代表作を抜粋収録した選集を読むことで、ひとりの偉大なアーティストの人生の変遷を垣間見た。これは、なかなか強烈な体験だったと思う。
 

 ひと昔前までは少年ジャンプを手にしたサラリーマンが大勢いた。今、電車の中を見回してもケータイを眺めているか、音楽を聞いているか、ゲームをしている乗客が大半で、マンガを読む乗客は殆ど見かけなくなってしまった。
週刊、月刊問わずマンガ雑誌は氷河期を迎えているという。もちろん単行本やアニメの人気は衰えていないのだからサブカルチャーとしては未だに健在ではあるのだろう。

 そういった現代マンガ事情と赤塚不二夫の夭折を絡めて、この文章をまとめるのはナンセンスなのかも知れないが、例えば『レッツラゴン』が今現在の少年誌で掲載されうるかというと甚だ疑問で、表現としてテクニカルになったとしても、あらゆるカルチャーを飲み込むだけの度量は昭和の時代の方が大きかったのではないかと思えてならない。
赤塚不二夫がギャグマンガの王道を築いたのは間違いのないことだが、その王道を自ら破壊していったのも事実であり、現代のギャグマンガは、まだその瓦礫を再構築している途上にあるとはいえないだろうか。

author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 02:58
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祝HP開設
「テレビ放送開始以来の未曾有のドラマ!」
「テレビドラマ50年の蓄積で遂に到達した奇跡!」

 などと暴言を振りまいては各方面から呆れられている(苦笑)くだんのドラマのDVD完全BOX発売のHPがいよいよ開設されました。

http://www.vap.co.jp/chiritote/index.html

 因みに発売元のバップは何故か日テレの子会社。たまたま知り合いがおりますので、
DOX靴留覗特典については電話でリクエストを出しておきましたがどうなるか(笑)。
(兇蓮屮好織献パークからこんにちは」のゲスト映像とのこと)
朝ドラでは一番売ったといわれるポニーキャニオンの「ちゅうらさん完全版」を予約段階で抜くかという勢いとのことですから、数字も楽しみですね。

徒然亭一門

 放送終了して1ヶ月経った今も「ちりとて」熱さめやらずで、公式HPの公開が延長され、スペシャル特番の全国放送が決まり、スピンオフドラマが関西ローカルから拡大され、小浜市で和田家の住民票が売り出されたりと(笑)
見事に朝ドラ史上最低の視聴率という栄誉を勝ち取った伝説のドラマですが、いよいよ5月5、6日に「総集編」が放映されます。
 さすがに大阪NHKホールでの総集編上映会は、例え大阪在住であっても行きません。満座で涙にくれるおっさんなんて洒落にもなりませんから(笑)

 このようにドラマ中の幾多の名場面では、数秒の抜粋でも泣けるという特技をすっかり身につけてしまいましたので、「総集編」でもうるうるになることは目に見えておりますが、さてDVDの予約者としてどの程度の気合で総集編に対峙するかは悩むところです。
 深作欣二が自ら編集した「仁義なき戦い/総集篇」でも明らかになってしまったように、世の中で優れた「総集編」などにお目にかかったことは一度もありません。
 まして「ちりとてちん」は無駄なエピソードや無駄なキャラクターが全くないほど、緻密な伏線を塗り重ねてきたドラマだけに、普通に切って繋げただけでは、あの豊潤な味わいは台無しになってしまいかねず、そこのところが「ちりとて」未見者に視聴を薦めるのを躊躇させているところですな。

author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 01:17
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『ちりとてちん』 ついに完結!
NHK連続ドラマ小説『ちりとてちん』について。

「テレビ放送開始以来の未曾有のドラマ!」
「テレビドラマ50年の蓄積で遂に到達した奇跡!」
などとあちらこちらで暴言を吐き散らしてまいりましたが(笑)
とうとう『ちりとてちん』の放送が終了しました。



 なにせ100人中で番組を観ていた人はBSを含めて20人いるかどうかの状況なので、
昨秋以来、一部の同志を除き、空気を相手に拳を振り回していたような日々でした。
『ちりとてちん』を観ていなかった人に対して「人生損したね」とまではいいません。
それはいくらなんでも傲慢というか、あまりに余計なお世話でしょう。
しかし私、『ちりとてちん』を観続けたことで、確実に人生を得した気分であります。

 このドラマの凄さについては膨大なレビューがネット上に飛び交っておりますので、
自分ごとぎが最終回に際してどうのこうの書いても仕方がないでしょうが、

「伏線の月曜日、笑いの火曜日、仕込みの水曜日、シリアスな木曜日、泣きの金曜日、号泣の土曜日、渇望の日曜日」

 さる方のブログからの引用ですが、まさに縦横無尽。
現在、過去と縦移動で時間を操りながら、福井・小浜と大阪・天満と巧みな横移動。
このリズムの中で半年間を過ごしてきました。
BS2、BS-h、地デジ総合と3回観て出勤し、
土曜日にはBS2一週間分をまとめて観てまた泣き笑い。
日曜日には放送のない寂しさを録り溜めていたVTRで紛らわす日々。
「時計代わり」が朝ドラの役割であるとすれば、
その意味で「史上最悪の朝ドラ」だったといえるかも知れません。
なにせ出勤前の忙しいところを気がつけばテレビに前のめりになっている。
せっかく化粧をしたのに涙で台無しになったという女性たちのクレームもちらほら(笑)。
電車に揺られながら場面を思い出して熱いものがこみ上げるなんてのはまだマシで、
登場人物たちの行く末を妄想し、その妄想に目がうるうるなんて底抜けに〜病気ですな(汗)。
 さて、サウンドトラックも買った。Tシャツも買った。
桂米朝大師匠の『地獄八景亡者戯』も買った。
『ちりとてちん−NHKドラマガイド』を増版されると知らず3倍の価格で落とした(泣)。
あとは5月の完全版DVDボックスの発売を待つばかり。

 ここまで書くと話をどんどん枝に持って行きたくなって仕方がないのですが、
それを始めると、どえらい作業となりますので(苦笑)
グッと堪えるとします。
 いつかDVDで通し観賞した後、気が向けばここに書くかもしれません。

 伝統の継承、ふるさとの模索。喜怒哀楽がうねるこそ「おもろい」という人間喜劇を、
無駄な話も、捨てキャラもなく、緻密な伏線を塗り重ねた“豪腕”藤本有紀の脚本。
朝ドラの範囲を越えた豊潤な映像美はカメラと美術、演出者の確かな仕事の賜物。
中堅、ベテラン演技陣はもちろん、ヒロインの貫地谷しほりの芸達者ぶり。
なによりも回を追うごとに、実生活の中でも友情を深めていく様を、
まるでドキュメンタリーのように見せるという離れ業を演じた若き役者たち。

 おそらく草原、草々、小草若、四草、若狭…徒然亭一門の芸名は一生忘れないだろうと思うと恐ろしくもありますが(苦笑)。

 それら全部をひっくるめて、ちりとてワールドに感謝です。
author:ZAto, category:テレビ・娯楽, 00:18
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